先日、バンドゥンではアジア・アフリカ会議60周年記念式典が開催されましたが、 「スマートシティ」を目指す同都市では、 このアジア・アフリカ会議開催期間中、ゲストスピーカーにアリババCEO ジャック・マーやインドネシア通信情報大臣ルディアンタラらを迎え、アジア・アフリカ スマートシティサミットも同時開催されました。スマートシティとは、「一般的に、ITや環境技術等の先端技術を駆使し、社会インフラを効率化・高度化した都市や地域」を指すもので、バンドゥンも都市サービスデジタル化構想、「スマートシティ・バンドゥン」計画を推し進めています。リドワン・カミル市長行政は、バンドゥン工科大学との提携や、日本や韓国のスマートシティ技術支援、又、オーストラリア、ドイツからはゴミ処理技術の支援を取り付け、バンドゥン行政サービスの向上にスマートシティを活用しようとしています。
バンドゥン・コマンドセンター(BCC)
そんなバンドゥンにスタートレック型指令基地があるをご存知でしょうか。冒頭写真の近未来風パビリオンのような風景、実はこれ、今年設立されたバンドゥン・コマンド・センター(BCC)と呼ばれるバンドゥン行政ITオペレーションセンターの一部です。リドワン市長の話では、BCCの外観は本当に、スタートレックのイメージをもとにデザインされたそうです。この辺の遊び心はさすがというところでしょうか。BCCの機能は150に及び、ここでは全て紹介しきれませんが、少し内容を覗いてみましょう。
遠隔監視
リドワン市長の話では、今回のアジア・アフリカ会議のため、バンドゥンでは約30か所の施設整備・修繕工事が行われましたが、その各地点とBCCをネットワークで結び、センターから工事進捗を目視できるようにしたとの事です。ジョコウィ大統領の十八番である現地視察スタイルをバーチャル化することで、進捗管理業務の効率化を狙っています。監視カメラは今後重要拠点約1,000箇所に敷設予定で、ここから先程のプロジェクト推進の他、違法駐車、違法露天営業、交通状況のチェックが行われます。又、各行政サービス現場も同様のネットワークで結ばれ、公務員の業務もチェックされる体制が整えられるそうです。
エマージェンシー コール
日本でいう110番と119番の機能をスマホアプリで対応します。例えばこのパニックボタン。強盗に襲われ緊急に電話など出来ない状況でもスマフォで[SOS]ボタンを3回タッチすることにより、BCCへアラームが入り、現場最短距離の警察が出動する仕組みになっています。同様に、怪我人や病人は救急車の手配も行え最短距離の病院から救急車が出動、交通局及び警察は、救急車を誘導するための交通整備を行う事も可能だそうです。
BCCセンターでは、サービス構築の第一ステージは「交通整備」と「緊急事態」への対応としており、第二段階として、「各地行政データーの収集分析」を挙げています。
と、ICTをフル活用した行政サービスをバンドゥン市は目指していますが、当然、運用レベルにあるのかという問題、継続性はあるのかという問題、様々な問題があるかと思いますが、まずは不安定な現地インフラを基にシステム構築を行い、サービスを実際開始し始めた事に敬服しつつ、ブームで終わらせず、トライ&エラーを繰り返して、今後は是非とも東南アジアのモデルケースに成長してほしいと願っています。
参照:
http://asiaafricasmartcity.com/
http://www.tempo.co/read/news/2015/01/21/058636596/Bandung-Command-Center-Awasi-Layanan-Publik
https://www.youtube.com/watch?v=lX_d5rkYl7c
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20120906/421044/
画像:
https://www.youtube.com/watch?v=lX_d5rkYl7c