2015年インドネシアニュース・ベスト10【国際編】

いんどねしあ新聞が独断偏見で選ぶ2015年度インドネシア国際ニュース版・ベスト10。主に日イ関係やインドネシアを舞台とした国際問題などを取り上げてみました。2015年の日本におけるインドネシア関係の報道は「高速鉄道」一色となってしまいましたが、インドネシアは人口約2億5000万人を超える世界第4位の人口大国、そして世界最大のイスラム人口国でありアセアンの盟主でもあり、ニュースの内容も多様かつ重要です。では。

 

2015年インドネシアニュース・ベスト10【国際編】

1位:ヘイズ(煙害)
2位:アジア・アフリカ会議(バンドン会議)
3位:ベネディクト・アンダーソン死去
4位:ジョコ・ウィドド大統領の訪日訪中
5位:ロヒンギャ上陸
6位:日本インドネシア文化経済観光交流団ニュースが伸びない
7位:中国系不法就労者摘発
8位:ジャカルタ-バンドン高速鉄道採択
9位:国会議員ご一行の訪日
10位:日本人女性の殺害

 

1位:ヘイズ(煙害)

お隣シンガポールやマレーシアにも直接的な被害を浴びせ、支援まで受け、更に国内外から非難を受けつつも、制裁決定企業の社名をイニシャルでしか公開しなかったということで。2015年のインドネシアにおけるヘイズ被害は特にひどく、世界銀行によると、被害総額はアチェ津波復興費の2倍以上、インドネシア国内総生産の1.9%に相当する221兆ルピアとのことです。あからさまな企業保護を続けられない政府は、既に16企業のライセンスを凍結、3企業のライセンスを剥奪し、現在301事案を警察が調査中です。国際林業調査センターによると罰金処分が通例であったので新政府の対応は称賛すべきとのことです。今年の事前対策にぜひ期待したいところです。

 

 

2位:アジア・アフリカ会議(バンドン会議)

60周年を記念するアジア・アフリカ会議が第一回開催都市バンドンで行われ、無事に閉幕しました。本会議でジョコ大統領はIMF(国際通貨基金)、ADB(アジア開発銀行)、国連をあからさまに批判した内容の演説を行い、西側諸国的には物議を醸すものとなりました。インドネシアはAIIB(中国メインのアジアインフラ投資銀行)の主要支持国であり、今回のアジア・アフリカ会議をインドが欠席していることから、インドネシアと中国というアジアの大国関係が特に印象付けられた会議となりました。因みに、本会議を機に、関係が悪化していた日本と中国の首脳会談も実現しています。

 

 

3位:ベネディクト・アンダーソン死去

12月13日、東南アジア、特にインドネシアの政治に詳しい政治学者のベネディクト・アンダーソンが東ジャワのマランで亡くなりました(79歳没)。ナショナリズム研究の第一人者で1972年にスハルト政権の批判を行ったとしてインドネシアから退去処分を受けています。有名な著作は「想像の共同体」「言葉と権力」「ヤシガラ椀の外へ」など。なお、氏の訃報はヤフージャパンのトップにも掲載されました。

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4位:ジョコ・ウィドド大統領の訪日訪中

ジョコ大統領が3月に日本と中国へ連続訪問し、両国からの投資意欲を引き出しました。ジョコ大統領は日本と中国の両国でいくつかの重要な合意や共同声明を発表。日本からはジャカルタ鉄道(MRT)建設他に対する資金提供に関する合意、中国ではジャカルタ-バンドン高速鉄道建設に関する覚書を締結、インドネシア的には大きな成果を収めた外遊であってのではないでしょうか。ジョコ大統領の訪日は日本メディアでも大きく取り上げられ、新幹線に乗車する姿などが印象的でした。私的にはイリアナ大統領夫人が美智子皇后陛下の手を取って散歩されている写真がベストスクープでしたw。 なお、ジョコ大統領の訪日、訪中の詳細は「インドネシア大統領ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)の訪日・訪中結果」(※別サイト)をどうぞ。

 

 

5位:ロヒンギャ上陸

バングラデシュ・ミャンマーから断続的に難民・移民がインドネシアのアチェ沿岸へ漂着、収容されました。収容された人数は約1700名。その内1000名はミャンマーで迫害を受け難民化しているロヒンギャ、また720名はバングラデシュの独身男性でバングラデシュ人の方は本国へ強制送還されました。インドネシア政府は、元々ロヒンギャやバングラデシュからの密航者の受入れに否定的(肯定的な国などありませんが)でしたが、本件に関しては、マレーシア、タイとの国際会議上で、「国際社会の協力を得て1年以内に第三国へ定住、又は本国送還すること」、「国際社会はロヒンギャ難民問題、バングラデシュ移民問題について特に財政的な保証を行うこと」を条件に、彼らの受け入れ・保護を表明しました。ミャンマーで国籍を剥奪されたロヒンギャ難民は国際問題化していますが、実は、日本にとっても他人事ではないらしく、先の大戦時での影響もある模様です。詳細は当サイトの「ロヒンギャ・バングラデシュ密航船インドネシア上陸」をどうぞ。

 

 

6位:日本インドネシア文化経済観光交流団ニュースが伸びない

11月22日、日イ関係においても類を見ない千名規模の「日インドネシア文化経済観光交流団」が日本からジャカルタに上陸しました。同団体は自民党の二階氏が先導し、国会議員17名、一般参加者1100名の大船団がジャカルタにて日本観光産業の売込みをメインにインドネシアと交流を図ると言うもの。ところがその当日の日本メディアのニュースは「安倍首相、インドネシアの高速鉄道について『失望』」の一色で埋まり、交流団のニュースは事実上、封印されてしまいました。歴史的な規模で日本から歴史的な規模の団体しかも自民党幹部と政治家が訪れているまさにその当日に一国の首相がホスト国の首相に向かって面と向かって「あんたらには失望」なんていうのかなと思って勘ぐってしまいましたが、笑えるかもしれないネタを拾いました。詳細は、当サイト「安倍首相は本当に「失望」をリアルにジョコ大統領へ伝えたのか?」をどうぞ。

 

 

7位:中国系不法就労者摘発

インドネシア各地で、サイバー犯罪や麻薬の密売に関わった中国人・台湾人が摘発されました。インドネシアと中国の経済的つながりが強まるとともに、こういった犯罪もクローズアップされています。また、

 

 

8位:ジャカルタ-バンドン高速鉄道採択

2016年晴れやかなお正月。毎日新聞朝刊の一面は、またインドネシアの高速鉄道ネタ。中国は2015年9月に着工と言ってたのに現地ではまだ工事が進んでいないとか(インドネシア側の採択決議が9月29日なんですが…)。毎日新聞は大晦日朝刊も一面トップで中国ネタ。日本のメディアなので日本のニュースにしてくれませんか?というぐらい今年のインドネシアに関するニュースはこのジャカルタ-バンドン高速鉄道採択ネタでもちきりでした。当サイトでもバズってしまいました。インドネシア政府は、ジャカルタ-バンドン間高速鉄道計画に関して、2008年から働きかけていた日本の新幹線方式を採用せずに中国の高速鉄道を採用しました。詳細は当サイト「インドネシア高速鉄道報道:日本メディアのおかしな報道と後出しジャンケン(完結編)」をご確認下さい。

※因みに2015年の「インドネシア」に関する当サイトのネットアクセストップ3は、この「高速鉄道」「中国産偽装米」「中国漁船爆破」でした。何のことはない。インドネシアとは関係なく日本の関心は「中国」です。

 

バズってしまった。
バズってしまった。

 

 

 

9位:国会議員ご一行の訪日

フリーポート汚職疑惑で(国内ニュース・ベスト10参照)、国会議長を辞職したセティヤは、スキャンダル暴露の数日前、他の国会議員とともに日本へ訪問しています。この際、日本要人はこともあろうにセティヤの天皇陛下との謁見をセッティングしました(非常識ですね)。インドネシアではセティヤが海上自衛隊が運用するUS-2調達のロビーに行ったのではとの報道もあがりました。

 

 

10位:日本人女性の殺害

南ジャカルタのマンションで日本人女性が同マンションの警備員に殺害されました。強盗目的であった模様です。彼女と同じようにインドネシアには約1万7千人、ジャカルタにはその半数を超える1万名以上の日本人が暮らしており(2014年時:在インドネシア日本大使館データ)、特に在留邦人にとってはつらいニュースとなってしまいました。

 

以上です。 最後までお付き合い頂きありがとうございます!