インドネシアと言えば!!いろいろ思い浮かべてしまいますが、その一つとして、 ナシゴレン、ミーゴレン、アヤムゴレン、道端でよく見かける豆腐や小麦粉の揚げもの(総称してゴレンガン gorengan)など、油を使った料理が多いという点があげられるのではないか思います。特にこのゴレンガンは近所のワルンや駅前など、インドネシアの生活に密接していて小腹がすいたときには欠かせません。
そんな揚げ物系料理に関して、インドネシアに住む潔癖日本人の友人から「ワルンで油を使った食べ物はNG。油にビニール袋が混ぜられているから」という衝撃のスクープを聞いたことがあります。彼女曰く、友人のインドネシア人がワルンでビニール挿入現場を実際に見たらしい等々の話でしたが、その時は正直、生理的にあり得ないことをわざわざするものかね、と私は懐疑的に聞いていました。 もう一つ自分の体験で言うと、ゴミの回収を業者に委ねない個人・地区ではゴミは空地とか敷地に穴を掘って、そこで個人的に焼却されており、何がきついかって、筆者からするとビニールを焼く臭いって半端ではないので、そんなもの料理用の油に混ぜる訳がないだろうと考えていました。
ところが、今朝、総合ニュースサイト(B級含む)merdeka.comで、揚げ物(Gorengan)の油は使い回しでダメだといったニュースが3本まとめて掲載され、その中に例のビニール混入油の話があったので、本日はそれを少し紹介してみたいと思います。
「ビニール袋を混ぜると、食感がパリッとして一層おいしくなるんです」
-揚げ物売りA.Mさん-
東ジャカルタ・バサールレボの揚げ物売り、イニシャルA.Mさんによると、自身だけでなく、多くの揚げ物売りが油にビニール袋を混入させているとのことで、ビニール袋混入油で揚げた揚げ物はパリッとしてよく売れるそうです。
バンドゥン・パジャジャラン大学の化学教授ヌルディアニ氏によると、ビニール袋は熱に弱く100度以下でも溶け始めますが、油の温度はおよそ300度、直ちに溶解し始めます。更に、油とビニールはそれぞれの極性が違うので、混じり合って新たな化合物になることはなく、極性がより小さいビニールは揚げ物の方に付着するとの事です。このビニールが付着した揚げ物が人間的には食感がよく、又、パリッとした感じで持ちもよく、見た目にも優れるそうです。なんてこった。これらの揚げ物は長く放置しておくと表面に白いシミができるとのことで、ネットで検索してみると、出てきました下記の写真、これがビニールの白みたいです。冷まされてビニールが固体に戻ったということみたいです。
ヌルディアニ教授によると、やはり、ビニール袋混入油は体に大変悪いとの事です。本来、Ph=2の胃酸はたいがいのものを消化してしまうのですが、胃の中でビニールがタンパク質等の多くの化合物に過激に反応することで消化機能を妨害、代謝を妨げ、更に発がん性のあるフリーラジカルをも発生させるらしいです。ビニールは消化されずに出てくるぐらいに思っていましたが、教授曰く、胃の中で化学反応を起こすんですね。おそろしや。
ビニール混入揚げ物の見分け方
それでは、これらのビニール入り揚げ物はどうやって見分ければいいのだという話ですが、ヌルディアニ教授によると焼いてみなさい(?!)ということです。氏によりますと、焼いてみればビニールは酸素と反応し、溶け始めるだろうということなんですが。。。こんな見分け方、店で商品を選ぶときには全く訳に立ちません。 しかし、どんな感じかとyoutubeで検索してみると(検索ワードはgorengan plastikなど)、おー、インドネシア人の皆さんが実験しておられます。なにやら滴りながら燃えています。後ろのおばさんの声を聞いていると、非常に失礼ですがおもわず笑ってしまいました。これがビニール混入揚げ物みたいです。
しかし、これでは店頭で確認しにくいですね。ワルンに外国人がやってきて、いきなり店頭でお前のとこの揚げ物は信用ならないからちょっと焼いてみろなんてシーン想像つきません。ここは商品で見分けるのではなく、人柄で見分けるしかないですね(笑
こんな記事で煽っておいてあれなんですが、一般的な揚げ物売りが皆ビニール袋を混入させている訳ではないということは付け加えてさせてください。まあ、たしかに油が悪いのは経験則で認めますが。しかし、ゴレンガン売りのおっちゃんやおばっちゃんと我々客の距離感はレストランのそれとは違い、より人間的なコミュニケーションもとれる暖かい場所でもあります。更に出来れば同じようにお金を使うなら大資本ではなく個人に直接払いたいという想いが個人的にはあります。ただし、インドネシアの食品事情を日本人基準で調べると今回のビニールネタだけでなく、危険な話が多すぎて紹介するのに躊躇もしてしまいそうな気がしますが、機会があるごとに紹介してみようかとも思います。 そして、それを糧に今後もインドネシアの食べ物を楽しんでいきたいと思っています。尚、美味いものは体に悪いと相場は決まってます(笑
以上、ワルン・道ばた派が、お送り致しました!
参考:
http://www.merdeka.com/peristiwa/menyingkap-fakta-di-balik-gorengan-dicampur-plastik.html