いつもセットの日本と中国

5月27日、福田元首相は、インドネシアで活躍する日系企業代表らと共に、ジョコ・ウィドド大統領以下、 インドネシアの関連大臣らとの会談に臨みました。 このニュースは日本では「福田元首相、インドネシアで新幹線をアピール」というニュアンスで報道されています。又、同日、インドネシア政府は日本との会談に先立ち、中国の劉延東副総理らとも、同時に会談を行っています。インドネシアは、日本・中国の投資案件に関して、なんだか常にセットでスケジュールを組み、両国にプレッシャーを与えている感じです。

さて、このインドネシア政府と日本・中国との会談内容が、インドネシア内閣官房公式サイトに掲載されていましたので、以下で紹介しておきます。

 

中国副首相と日本元首相の訪問を受け、ジョコウィ大統領、投資プロジェクトの迅速化を要請

ジョコ・ウィドド大統領は大統領宮殿にて、中国から劉延東副総理、日本から福田康夫元首相の訪問を受けました。(5月27日 夕方)

プラティクノ国家官房長官によると、「大統領は、中国に対して、早期の計画具現化、投資プロジェクトの迅速化を要請した」とのことで、ジョコウィ大統領と劉延東副総理の会談では、インフラ計画の迅速性について話合いが持たれました。 中国、劉延東副総理側からは、教育分野での一層の協力体制の構築、学長フォーラムへの協力要請があったとのことで、プラティクノは、「これらは以前からの合意項目で、後は実装のみだ」と回答しています。

日本の福田康夫元首相(日本インドネシア協会会長)は、日本ビジネス界の著名な大物を引き連れ、会談に臨みました。 在ジャカルタ日本大使館のプレスリリースによると、この会談ではインドネシアの輸出分野促進を視野に入れた日本からの投資拡大、その他、インフラ開発、人材開発分野、文化交流部門での協力関係について話合いが持たれたとのことです。 又、「今回の訪問は、日本とインドネシアの経済関係や一層の文化・社会交流を促進させ、単に戦略的パートナーとしてだけでなく、お互いが思いやりを持てる関係を発展的に築くことを目的としています」と日本大使館のプレスリリースに書いてあります。本会議には、東芝、住友、スズキ、パナソニック、ダイハツ、三菱といった有名企業からビジネス界の代表者らが出席しています。

インドネシア側からは、ジョコウィ大統領以下、国家官房長プラティクノ、内閣官房長アンディ・ウィジャヤント、商業相ラフマット・ゴーベル、工業相サレ・フシン、副外相AM・ファチル、そして在日本インドネシア大使ユスロン・マヘンドラが出席しました。

 

以上

 

あまり目新しいことは書いていませんが、一つ納得いかないのが、インドネシア内閣官房サイトからの報道発表にも関わらず、日本についての記事は「日本大使館のプレスリリースにはこう書いていました」とあるだけです。君ら側のソースでどうして書かないの?と思うのですが。日本でユドヨノ元大統領が安倍首相と会談し、その内容を日本内閣官房サイトが、「在東京インドネシア大使館のプレスリリースではこう言っていました。以上」でそれ以外何も情報を載せないのは、やはり失礼でしょう。

又、日本は海外への新幹線導入の報道が好きですが、今回含め、毎回毎回そればかりをクローズアップするのは、参加している他の日本企業に対して失礼な気もします(余談ですが、「鉄道」関係の話題は結構なアクセスが稼げます。特に海外ネタは、暴力、災害、中国・韓国問題のようなテーマと結びつけない限り、一般読者へリーチしない現実があり、その中でこの「鉄道系」は隙間的なヒットテーマです。自分もこのネタ、3割よこしまな気持ちでサイトに上げています。すいません。ちょっと脱線しました)。

インドネシア内閣官房公式サイトにもある通り、今回も日本側は福田元首相を代表とした大企業チームで会談に挑んでいます。日本からの参加は、住友、東芝、ダイハツ、スズキ、三菱、パナソニック、みずほ、INPEX、日揮、千代田化工など長らくインドネシア経済を牽引してきた日系企業の顔です。AMファチル外相は「長らくその実績によりインドネシア経済に貢献してきた企業にはインセンティブを与えていく予定だ。しかし、そのための規定もあり、まずは研究課題としていく」と述べています。

投資調整庁によると日本は6.4億ドル(鉄鋼分野2億、化学分野3億、工業団地1億、造船業に0.4億)の投資を行うとのことで、今回も日本経済代表団は、これらに関するコミットメントを表明しました。と同時に、投資の阻害要因(ビザ取得、土地収用問題など)に対する改善を求めています。 経済調整相ソフヤンによると、「大学卒レベルでないとビザが下りにくい問題は既に解決済みで、その他は迅速に対応し解決していく」とのことです。又、新幹線については「それから、彼らは常に新幹線を勧めてくる。彼らの提案に対し大統領は検討すると述べている」とのことで日中新幹線導入争奪戦も、そろそろ佳境に入ってきました。

又、インドネシア商工会議所日本インドネシア経済委員会のソニー・ハルソノ委員長によると「大統領は日本に対して、輸出振興を図る工業部門、人材育成部門、インフラ部門、特に、発電所、鉄道、新幹線(ジャカルタ-バンドゥン、ジャカルタ-スラバヤ)への投資の役割に注視している」との事です。誤ってはいけないのは、おそらくこれと同じことが中国側への伝えられているだろうということです。日本・中国、がっつりと競わされております。

 

参考:
http://setkab.go.id/terima-wakil-pm-rrt-dan-mantan-pm-jepang-presiden-jokowi-minta-percepatan-proyek-investasi/
http://industri.bisnis.com/read/20150527/45/437877/jokowi-fukuda-bahas-proyek-kereta-cepat-ini-hasilnya
http://bisniskeuangan.kompas.com/read/2015/05/27/204956626/Pemerintah.Pertimbangkan.Beri.Insentif.Perusahaan.Top.Jepang
画像:
http://nasional.kompas.com/read/2015/05/28/2050027/Pilih.Jepang.atau.Tiongkok.Wapres.Tekankan.Kualitas.Infrastruktur